日産・フェアレディ・オーナーズクラブ  

1989年7月、生まれ変わったフェアレディーZ(Z32系)がデビューした。その開発に当たり、我々は全てを一端白紙に戻し、スタートすることを選んだ。Z32型で目指したことは、スポーツカーの本質である「走り」機能のより純粋な追求である。V6・3000cc、ツインカム・ツインターボ、吸排気独立2系統システム、4輪マルチリンクサスペンション&SUPER HICS---このクルマに我々は技術を惜しみなく注ぎ込んだ。同時に、テストドライバーのレベルを徹底的に向上させることで、人間感性面からもスポーツカーの本質を求めた。

こうして生まれたZ32型では、スピード感を楽しむスポーツカーから、安全な速度域においてコントロールを楽しむスポーツカーへ、より成熟したスポーツカードライビングを提案することができたと考える。その結果として、日本社会におけるスポーツカーのプレゼンスを向上させることに役立ったと自負している。

1994年10月、我々はZ32型に新たにVersionSシリーズを加えた。これは、フェアレディーZと言う名のスポーツカーが誕生してからちょうど25年目にあたる。

(Photo/Text : NISSAN SPORTS 1995 CALENDARより)


 

1992年〜Fairlady Z Convertible (HZ-32)

コンバーチブルでみる二つ目の空

Z32のデビューから3年。92年に行われた変更では、SRSエアバッグのオプション設定、サイドドアインパクトビームの採用、コーナリングランプの採用、ヒーター付電動格納ドアミラーの標準化、助手席電動シートの採用、フッ素樹脂塗装の採用などの追加によって、魅力を増したフェアレディZ。2by2モデルでは後席にもELR付3点式シートベルトの採用も併せて行われている。こうした安全面の拡充に加えてコンバーチブルモデルが登場したのもこの時だ。
Z32のコンバーチブルが初めてお目見えしたのは91年秋、晴海から幕張に場所を移して2度目の東京モーターショウでのことだ。ショーでお披露目したZコンバーチブルは、フェアレディSR系からモデルチェンジ以後、一貫してクローズドボディースタイルを採ってきたZにとって、久々の本格的なオープンフェアレディの登場と言うことになる。
S130からT BAR ROOFで新たなオープンモータリングを提唱してきたZに二つ目の空が加わったことになるのだ。

最小限に留めた重量増加

ベースとなったのは2シーターである。このことは、左リアフェンダーの前側にあるフューエルリッドを見れば、Zファンなら承知のとおりだろう。組み合わされるエンジンはVG30DE。ターボモデルは用意されていない。コンバーチブルに与えられたボディーは、モノコックボディーをベースにコンバーチブル化したため、強度面でも各部に見直しを受けている。フロントクロスメンバー、フロントサスペンションのストラットハウジングのガセットによる強化、リアクロスメンバー、リアセンタークロスメンバー、そしてボックス構造であるトランクが採用されたのも、剛性面で有利に働いていることは言うまでもない。
例えば、サイドシルなどはベースモデルに比較して倍以上の肉厚のパネルにするなど、その徹底ぶりがうかがえる。剛性確保は走り全般に及ぼす影響が大きいため慎重に行われている。こうした結果、適切な剛性を確保しつつ補強による重量の増加は、T BAR ROOFモデルと比較しても+40kgほどに重量増加が抑えられたのも特徴といえだろう。また、トップの開閉を手動としたことも、大きく重量の増加を招かなかった要因といえるだろう。

スマートなスタイリング

コンバーチブルの特徴でもあるトップは室内にあるロックを外し、トランクリッドの前部にあるストレージリッドを開けてそこに、ガバリと上げたトップをしまい込むというオープンモデルの標準的な作業でこなすことが出来る。ストレージリッドを閉めるとノーズからリアエンドに掛けてフラットなラインが強調され、傾斜角のきついスクリーンとサイドウインドウのサポートバーがその線上に残るだけとなる。
コンバーチブルの室内はボディーカラーによってオフホワイト、オフブラック、いずれかレザーシートが組み合わされることになる。
また、ステアリングは、SRSエアバッグ付皮巻き4本スポークのものが与えられた。ブラウングラファイトパールという、コンバーチブル専用色が用意されたのも特徴だろう。
オープンモデルで気になる走行時の風の後ろからの巻きこみに対しても、デフレクターを装備するなど快適性に対する配慮にもぬかりがない。
また、トランクルームの容量は2by2と2シーターの中間の大きさで、2人分の小旅行には充分なキャパシティーを持つと言っていいだろう。トランクリッドの開口部は広く、リンクを使って容量を確保するヒンジなど、各部までコンバーチブルを楽しむためのフォローが成されている点も注目だ。

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